規制スキームによってリスクマネジメント
|不動産投資・リスクと契約

2012-05-21更新

不動産を購入するケースに想定金額を当てはめてみるとわかりやすい。仮に半年の賃貸期間経過後住宅を購入する場合、半年分の質料が住宅購入価格にプラスされることになり、この半年間分の賃料がオプション料に相当する。このオプション料を払わずにいきなり当該住宅を購入するか、オプション料を払って、一定期間使用してから当該住宅を購入するかという決定は、たとえ購入後にどんな不都合が顕在化しても、その不都合を修正できる余裕がある(リスクテークができる)か、あるいはオプション料を払うことによって、あらかじめリスクを確定して投資するか、という違いになる。日本の商取引においては、これらのリスクをヘッジする方法として、重要事項説明書等の契約保証によるリスクのヘッジ機能を持つ不動産仲介手数料、暇庇担保責任、保険等の仕組みがある。規制スキームによってリスクをマネジメントする考え方に対して、市場の中でリスクヘッジする考え方との違いである。

アメリカは契約社会

一般によく聞かれる話として、アメリカは契約社会であり、些細なことにも分厚い契約書が用意されるといわれる。例えば、アメリカ大リーグの選手は、一見並みの実力であっても、活躍する可能性を契約書に織り込むゆえに、分厚い契約書になる。その選手の成長可能性を契約書に織り込む技術である。極端なことをいえば、成長可能性を開発しようというマネジメント技術と契約技術の融合によって、その選手が成長する道筋が作られるともいえる。個々の不動産投資においても、その資産の個性はまったく違う。成長可能性となる個性をどのように具現化するかは、非常に大きな問題である。不動産賃貸契約における経費変動リスクを貸主、借主どちらが負担するかという、ある種のビジネスモデルは、契約技術が規制に制約されることなく、自由に拡張できる環境が整備されているからこそ生まれてくるものである。